よくある事例

亡き父に前妻との子(非嫡出子)がいました
相続分はどうなりますか?

亡くなった父親に妻(配偶者)と子、前妻との子がある場合、古い民法の規定では法律上の婚姻関係にない男女の間に生まれた子(非嫡出子)の相続分は、嫡出子(法律上の婚姻関係にある男女の間に生まれた子)の2分の1でした。2013年12月11日に民法の一部を改正する法律が公布・施行され、非嫡出子の相続分は嫡出子の相続分と同等になりました。

この場合、法定相続分は、
 妻     → 2分の1
 嫡出子   → 4分の1(以前は3分の1)
 非嫡出子  → 4分の1(以前は6分の1)
となります

注意点!
改正された民法の規定が適用されるのは、2013年9月5日以後に開始した相続となります。ただし、2001年7月1日以後に開始した相続についても、嫡出子と非嫡出子の相続分が同等として扱われる場合があります。

田舎に亡叔父名義の宅地や畑があります。叔母、叔父に続き、父も他界しました。相続できますか?

例えば相続人が母親と姉弟の三人。亡くなった父親は3人兄弟の次男で、先に叔母が3人の子(いとこ)を残して亡く
なり、続いてに妻子がない長男の叔父が他界したとします。
この場合、本来叔父の相続人であった父親と叔母が亡くなっていたため代襲相続となり、叔父の財産はその甥・姪にも引き継
がれます。

この場合、法定相続分は
 母親   → 4分の1
 長女   → 8分の1
 長男   → 8分の1
 いとこA → 6分の1
 いとこB → 6分の1
 いとこC → 6分の1
となります

相続人のうち、弟一人が行方不明です
遺産分割はどのように進めればよいでしょうか

遺言がなく、相続人の間で話し合いにより遺産を分割する場合相続人全員の同意がなければなりません。したがって行方不明
 兄弟を除いて行われた遺産分割協議は無効です。

 ただし、行方不明者が7年以上生死不明の場合は法律上、死亡したものと見なす失踪宣告や、行方不明者に代わって遺産分割協議に参加できる不在者財産管理人を家庭裁判所に選らんでもらうことで、遺産を分けることができます。

注意点!
失踪宣告や不在者財産管理人の手続きには時間がかかります。行方不明の相続人がいる場合、早めに手続きを進めるとよいでしょう。

亡くなった父の遺言に長男が全財産を引き継ぐとあります。他のきょうだいは取り分ゼロでしょうか?

法定相続人には民法で保障された最低限の財産受け取り分(遺留分)があり、遺言であってもこれを侵すことはできません。
相続人が亡くなった方(被相続人の)子の場合、遺留分は法定相続分の2分の1です。
 
例えば、母が既に他界していて長男・長女・次男の3人が相続人だとします。長男に全財産を引き継がせるという遺言がある
場合、その遺言は他の長女と次男の遺留分を侵害していることになります。

この場合、長女と次男がそれぞれ長男に請求できる遺留分は
 長女   → 6分の1
 次男   → 6分の1
となります

父の死後に金融機関から借金返済を求められました。すぐ支払いに応じましたが、相続放棄はできますか?

相続財産の中に借金など負の遺産がある場合、金融機関や保証会社からの求めに応じ、債務を返済してしまうと、借金も含めて相続を承認したと見なされてしまう場合があります。ただし被相続人が自分のお金を返済にあてた場合などは、相続財産を処分していないので、相続開始から3カ月以内であれば放棄は可能です。

また、自営業者だった被相続人が運転資金を回すために、複数の消費者金融会社や信販会社と取引があり、長年にわたり借入や返済を繰り返していたことがよくあります。払い過ぎた利息(過払い金)が発生している場合もあります。過払い金も相続財産となりますので、被相続人が返済した後でも請求することができます。相続放棄をすれば、過払い金を求める権利も失います。

相続人が多く、法定相続分通りに分けると先祖代々の土地が細切れになります。他の方法は?

相続財産以外に現預金や株式などの有価証券などがある場合、長男が家と土地を引き継ぐ代わりに、お金やお金に換えられる財産を残りの相続人で分けるといった方法(現物分割)が考えられます。
遺産のほとんどが家や土地などの不動産の場合、一部を売却してお金に換えて分け、残った土地を相続人の一人が引き継ぐという分け方があります。

 また、不動産を引き継ぐ相続人に現預金の余裕があれば、不動産の評価額と他の相続人の相続分の差額を金銭で支払う代償分割という方法もあります。

父が亡くなりましたが、田舎の土地や家屋の名義が先になくなった祖父名義です。名義変更はできますか?

お祖父さまの配偶者(お祖母さん)が健在であったり、お父さまに兄弟がいたりした場合などは、これらの人も相続人となりますので相続人全員で遺産分割協議を終えなければ、名義変更はできません。まずはお祖父さんの相続人を確定する必要があります。

相続人の確定とともに、土地や家屋の評価額を調べて、相続税を収める必要があるのかどうかを早めに調べた方がよいでしょう。